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不機嫌病の世代—アドビの講演から

国際フォーラムで開かれたADOBE ACROBAT 8のプロモーションイベントに行ってきた。明治大学文学部教授齋藤孝氏の講演があり、「つまらないおじさんの話」という声もあるにはあったが、私は「中年の男性は不機嫌病にかかっている」という指摘一言で断然気に入ってしまった。題名は「脳を混ぜあうー知の交換と共有によるチーム力向上の極意」。製品の機能紹介と思って参加した私にとってイベント自体は成果なかったが、まあこのレクチャーは納得だ。

「冷えた身体からは良いアイディアは生まれない」「思考は身体的作業を模倣する。また身体的作業には行為の歴史が組み込まれている」つまり「思考は身体に支配されており、それを磨く事で思考も磨かれよいアイディアも生まれる」のだ、と。

結局リーダーが上機嫌でいることが大切。上機嫌でプレッシャーをかけるのが良いアイディアを引き出すことにつながるという。そして女性の方がアイディアを多く出す、男性は女性に比べて固まりやすいープライドが高く心が固い、そこからは良いアイディアは生まれない、と。特に団塊の世代の男性は不機嫌病にかかっている、という。利益を生み出す新しいプロジェクトをリード出来るようなリーダーは上機嫌でいることが大切、という上機嫌な教授の講演であった。

団塊の世代の男性が不機嫌で心が固いという表現には全く同感だ。見回してみると仕事も家庭も不機嫌病という男性が多い。いつも機嫌良く楽しいという男性はたった一人しか知らない。人間だから常に上機嫌でいることは難しいと思うけれど、誰だって不機嫌な人のそばにはいたくないし近寄りたくないだろう。

団塊の世代まっただなかの男性にこの講演の話をしてみる。
「本当、そういう奴が多い。クラス会に行っても話が合うのはほんの少ししかいない。仕事もできないのにプライドだけが高くて柔軟な考えが出来ないのが多いよ」
この人は自分の生活自体が自立している。天気が良いと今日は洗濯日和だ仕事に出る前に干して行こうと思う、と言い休みには山や美術館を巡る。

他の男性。やはり団塊と言われる世代。
「しょうがないでしょう不機嫌な人がいても。会社ではそろそろ定年。役職があってももう辞める人と思われてる。家では妻が自分の生活を楽しんでいる。他に就職をさがせと言わんばかり。自分は飲み仲間と楽しむ機会があるからいいけど、何もなかったら悲惨だよ」
機嫌良く人に接していると自分は思っている風の人。

「プライドが高いのはそれだけの地位にいたからですよ。決済しなくてはならないことが多ければいつも上機嫌でいるなんで出来ないし。私は陶芸という趣味があるからいいけれど、趣味もない仕事人間だったら年金生活は辛いだろう。不機嫌な顔にもなるでしょう」
とこれは、人を見下した態度がちらほらする、と私が感じる人。

「そういう人もいるでしょう。劣等感の強い人ほどプライドが高いよね。それに会社で十分認めてもらえてないと思っている人はとっくにあきらめているから会社では不機嫌。家ではどうなのかなあ。奥さんにも愛想つかされてるんじゃないかな」
これはばりばりと一線で活躍してきたと思っている会社人間。よく人をどなる。

この病気にかかっている人もいない人も共通して「自分はそんなものとは無関係」と思っている。ん、もしかすると自分もそうかもしれない、と一瞬でも考えることが出来る人が増えるならこの病気はかなり減るんじゃないだろうか。

ちなみに齋藤教授はくねくねと動く柔らかい身体もだが、声もかなりユニークだ。柔らかい身体となよっとした風貌と甲高く声帯が壊れかかったような声とでインパクトがある。30才代後半かと思ったら、自分も「不機嫌病にかかる境目の45才を過ぎている」と、上機嫌の教授はおっしゃるのであった。

Comments

tsoul said…
Thank you for linking my blog with yours. Tony Natsoulas

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