陶遊2018年5月号の表紙 陶遊5月号に2人の陶芸家が取り上げられています。 お一人は独自の糸抜き波状紋で知られる三崎哲郎さん。シンプルで緊張感あふれるフォルムと、端正で淡く暖かい色調の器たち。お人柄そのものの、誠実さと美しさ静けさに思わず手を伸ばして触れたくなります。 三崎さんは陶芸家として変わった経歴をお持ちです。テレビの番組制作プロデューサーとしてまた病院事務長として活躍され、退職後に陶芸を始められました。趣味として始められたそうですが、2012年には日本陶芸展優秀作品賞・文部科学大臣賞を受賞。日本工芸会正会員でもあり昨年は請われて新宿の柿伝ギャラリーで個展を開かれています。 ご自分のブログ で様々な技法を惜しげも無く紹介しておられ、白墨に紋様を掘ってハンドローラーも手作り。参考になるヒントがいっぱいのブログです。 「陶遊」記事より 2017年柿傳ギャラリーの個展より 写真は三崎さんのブログより もう一人は、 淡い色調で不思議なオブジェや器を制作する 大槻智子さん 。恐らく三崎さんの対極にある作品たちです。「可愛い」のもっと先にある、夢溢れる個性的な作品は、長三賞受賞やテーブルウェア展に入選するなど、高く評価されています。 独自の世界を醸し出すパステル色調のカップや花器、アクセサリーはまるでケーキのような綿菓子のような、見ているだけで美味しい匂いを感じてしまいます。 「陶遊」の記事より 指輪だってただの指輪ではありません、ウサギだってただのウサギとは違う。コップも野菜もタマゴもみんなただの「もの」ではありません。それぞれの物語があって自分の物語をおしゃべりし始める。彼らのおしゃべりを聞き、見ているだけでなんとも満ち足りた気持ちになります。 お二人とも技法を語りながら、うつわたちそれぞれの声を届けてくれるようです。