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Showing posts from June, 2017

paragonの窯、ホームアーティストを修理しました

アメリカのパラゴン社の窯について問い合わせがあり、修理が必要、と お客様が工房に持って来られました。アメリカの窯ということで、 東京陶芸の山崎さんがうちを紹介してくださったそうです。 電源を入れてスタートボタンを押しても温度が上がらないという 症状でした。 窯はパラゴン社のホームアーティストという機種で、片側に車輪が ついている120V用の窯です。日本のコンセントで使うには低温焼成 しかできないのですが、いつも700度くらいの上絵焼成に使っている とのことで、便利に使っておられたようです。 技術が中を開けて調べると、電源の赤いボタンはついてスタートは するのですが、オンにならない状態でした。抵抗値や部品などを 調べた上でリレーが切れていることがわかり、幸いヒュース・テン のエクセルキルンと同じタイプのリレーだったので交換して すぐ復帰しました。 エレメントは壁内に埋め込みタイプなので、エレメントが問題の 場合はメーカーに送り返して修理してもらう他ありません。 こちらで手に入る部品の故障だったのでお客様にとってラッキーでした。

陶芸の森と信楽町の交流拠点FUJIKIで油滴天目茶碗の展示

FUJIKIのエントランス 信楽で興味深い試みが 行われている。 元陶器問屋を改築した建物を、滋賀県陶芸の森と甲賀市信楽町との「まちなか交流拠点」として運営し活動していこうという試みだ。「 FUJIKI 」と名付けられた連携拠点はギャラリースペースとして若い作家の発表の場や様々なテーマの企画展が開催されていく予定という。 そのスペースで6月4日から開かれているのは、「高井隆三展」だ。信楽窯業試験場で長年釉薬の研究をしてきた高井氏の研究による様々な油滴天目釉茶碗が展示されている。氏は、試験場を退いてからも研究を進め、土や釉薬などを講義する私塾「狸塾」(たぬきじゅく)を自宅で主宰している。 この展覧会では油滴天目の焼成に関する焼成時間とねらし、冷却還元で油滴結晶がどのように変化するか科学的なデータを併記してのサンプルが展示されている。天目釉に興味がある方は必見だ。結晶と冷却還元の時間の関係は極めて興味深く、データでこのように示されると、陶芸は科学なのだとあらためて思う。これ以降の展覧会、イベントも楽しみだ。 高井の釉薬研究によって、様々な大きさや光の油滴が生み出された。 40年前の奇跡の作、とキャプションがある。データをとらずに 焼いたため再現できず、油滴の美しさで未だにこれを 越えられないと作家は語っているそうだ。

下絵具クレヨンの使い方・作品例です

アマコ社の下絵具クレヨンは、独特の優しい表情を生み出し、器やオブジェの絵を楽しまれる方に大きな人気があります。その持ち味を生かした作品をご紹介しましょう。 写真左はAmaco 社のアーティストによる制作。木の輪郭、葉、草、枝がクレヨンで描かれ、柔らかい雰囲気の壺が出来上がりました。 上の作品はコーヒーカップ2点、小皿とも埼玉県さいたま市の 稲垣美穂さん の作品。 小皿は赤のSC釉の上に白のクレヨンで線模様を描いています。クレヨンは下絵具なので、透明釉をかけないとマットですが、焼成のカロリーが高いからか、クレヨンの白い線は下に塗られたSC釉にきれいに溶け込んで光沢が出ています。 稲垣さん一言インタビュー 「陶芸は独学です、釉薬も大西政太郎さんの著書を読んで自分で作っています。普段は越前の土を使って還元焼成しますが、SC釉やクレヨンを使うときは磁土で10時間ほど、約1230度の酸化焼成をします」