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Showing posts from December, 2011

伸びやかに生きた・無惨に死んだ

伸びやかに枝を広げる木 この幹の根元は厚さ3センチ、石畳の目地の幅 地上から2、3センチ立ち上がったところで お尻を突き出した形になった 横幅は17、8センチ 左の石畳をかすかに持ち上げているのがわかる 無惨に刈られた根元 ヒュース・テンのある西武新宿線下井草駅。 その駅前に伸びやかな姿の木があった。 人の背丈を優に超えて涼しげに葉を茂らせていた。 よく見ると根元は3センチほどの太さ。 横幅は17、8センチにも広がっている。 石畳の隙間から健気に育ち、石畳のすぐ上からは太さが 直径10センチ以上になっている。 なんとたくましい生命。がんばれ! ポールに寄り添って、けれど一人で凛と 立ち上がっていた。 もう少しで涼しげな木陰をつくるはずだった。 ある日。木は影も形も無くなっていた。 無惨に切り取られた切り株。 切り株は木の秘密を明らかにした。なんと 幹をTの字(かすかに十字になりつつあった!) にして身体を支えていたのだ。 石畳の隙間から幹を伸ばし、石畳を超えると だんだん樹木らしい体裁を整えて太い幹に育っていた。 なんという生命力! 何故生き延びさせてあげなかったのだろう。 目の前にある交番なのか杉並区なのか。しかも 切ったのではない、まるで力任せに叩き壊したような 切り株。誰も気がつかないように通り過ぎる。

福島の陶芸家・渡部さんの電気窯と東北電力

渡部さんの工房。手作りの道具類が沢山。 福島の郡山市にお住まいの陶芸家、渡部功さんから窯の温度があがらないので見に来て欲しいと連絡をいただいた。渡部さんはスカットのモデル 1027、三相をお使いだったが、代理店がなくなってしまったため困り果ててヒュース・テンに連絡して来られ、それ以来長いおつきあいをさせていただいている。 何年か前には、体力がなくなったのでもう少し浅い窯にしたいというご希望で2段の窯に改造した。 99年に初めて連絡いただく前にすでにお使いだったのでもう15年くらいは経った窯だろう。 今回はその窯の温度が上がらないということで福島に伺った。ヒュース・テンの技術、Kさんが窯や部品、配線を点検していくがどれにも問題がない。だが、大元の電源を調べると三相の窯なのに3本のケーブルのうちひとつに電圧が来ない。電源に 100Vしか来ていないのだ。 これはもう窯側の問題ではない。壁から外の電力会社側に原因がある。東北電力に連絡するとすぐやって来てこちらの説明で電柱を調べてくれる。案の定電柱から渡部さんの工房に来ているケーブルのヒューズが一個切れている事がわかった。他も劣化しているので3つとも交換します、と言ってくださる。 道ばたの電柱にヒューズがあるなんてほとんどの方はご存じないだろう。電柱が近くて良かった、それに東北電力にすぐに対応してもらえてありがたい。窯は元通り、温度も上がり無事に作業を終えた。 窯の問題ではなく、電柱や電源、電気会社に原因があることが少なくない。こういう事態はやはり電話だけのやりとりではわからないだろう。来て良かった、と改めて思う。 ところが3ヶ月経たずにまた温度が上がらない。期せずして地震後の工房に2度おじゃますることに。今度はエレメントが一本切れていた。「年だから新しい窯を買っても仕方がないか、、」とおっしゃるが、窯をきれいに使っておられるのでエレメントやリレーなど部品を替えればまだ立派に使える。 ところで渡部さんは今年 11月で満90才になられた。3月11日の東北大震災の時は工房で仕事をしておられ、作品はほとんどが破損したということだが、それでもまた工房で仕事を再開された。殆ど毎日作業しておられるという。 郡山市に移られる前は会津で本郷焼き窯元でろくろ師をされて