伸びやかに枝を広げる木 この幹の根元は厚さ3センチ、石畳の目地の幅 地上から2、3センチ立ち上がったところで お尻を突き出した形になった 横幅は17、8センチ 左の石畳をかすかに持ち上げているのがわかる 無惨に刈られた根元 ヒュース・テンのある西武新宿線下井草駅。 その駅前に伸びやかな姿の木があった。 人の背丈を優に超えて涼しげに葉を茂らせていた。 よく見ると根元は3センチほどの太さ。 横幅は17、8センチにも広がっている。 石畳の隙間から健気に育ち、石畳のすぐ上からは太さが 直径10センチ以上になっている。 なんとたくましい生命。がんばれ! ポールに寄り添って、けれど一人で凛と 立ち上がっていた。 もう少しで涼しげな木陰をつくるはずだった。 ある日。木は影も形も無くなっていた。 無惨に切り取られた切り株。 切り株は木の秘密を明らかにした。なんと 幹をTの字(かすかに十字になりつつあった!) にして身体を支えていたのだ。 石畳の隙間から幹を伸ばし、石畳を超えると だんだん樹木らしい体裁を整えて太い幹に育っていた。 なんという生命力! 何故生き延びさせてあげなかったのだろう。 目の前にある交番なのか杉並区なのか。しかも 切ったのではない、まるで力任せに叩き壊したような 切り株。誰も気がつかないように通り過ぎる。
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