from Soldner's HP 陶芸の名門スクリップス・カレッジで長く教授であった ポール・ソルドナー氏が1月3日、クレアモントの自宅で 亡くなった。89才だった。 60年代のアメリカ西海岸での陶芸で大きなエネルギーを 生み出した陶芸家の一人が ポール・ソルドナー だ。 ピーター・ヴォルコスの教える最初の大学院生として 陶芸機材もゼロからのスタートだった。ジャンクから 創り出したろくろはカリフォルニアのスタンダードに なったほどだ。 また、なんといっても彼の名前は、今や世界に名高い アメリカン・ラクー技法を打ち立てたことで知られる。 焼成後の作品を取り出して新聞紙やおがくず、枯れ葉など 身近なもので還元する方法で場を盛り上げる天才だった。 その業績は4日の ロスアンジェルス・タイムズ紙 に 紹介されている。NCECA(エヌシーカ)と呼ばれる 全米の陶芸会議が毎年春に開かれるがその重鎮でもあった。 飾らぬ人柄は多くの人に親しまれ、毎年NCECAでは ポスターにサインをして配っていた。ポスターとは 毎年、決まって自身を含めた全員がヌードになった写真だ。 またジャズのアドリブ性に影響を受けた世代だよ、と 自分を語っていた。身近な材料や身の回りのできごとに 即興性で対応するのが得意な、という意味だろう。
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