2000年頃南アフリカから持ち帰った古い窯があるけれど、つまみの調整ができなくなった、直るでしょうかという問い合わせをいただき、出張修理に伺った。窯はUltra-Furnという南アの電気窯で、部品はイギリス製だ。
アメリカの窯よりレンガの角度をより大きく削り、ほぼ円形になっている。現在のウルトラファーンはコントロールボックスと一体型だが、これは古いもので本体から外した形になっている。またリレーボックスは本体の反対側に接続されている。
コントローラは日本の窯の半自動に似てインフィニットスイッチで強弱を操作する。設定温度を決めて実際の温度が追いかける単純な方式だ。だが図面も何もコントローラや窯の接続に関する資料は全くない。
技術の加藤さんがコントロールボックスを開けて内部の部品を調べる。スイッチ裏側の小さな部品がリレーの切り替えに関係していると目星をつけてネジで調整する。そうこうしてから電源を入れ、試運転。「あ、カチカチいう!!」とユーザーのMさん。リレーが入りっぱなしになって操作不能だったものが調整可能になった。機械をみると設計のコンセプトに文化の違いが出ていて興味深い。
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