毎年お彼岸になると、ヒュース・テンのささやかな花壇スペースに1日も違わず彼岸花が咲く。体内時計があるとしか思えないような正確さだ。
ところが明日は満開になるぞ、と思う翌朝、必ず数十本の花は根元から切られて持ち去られている。毎年ハサミを持参でやって来る。どんな人だろう、早朝犬の散歩にでもきてきれいだと思ったのだろうか。きちんとハサミで切り取られた茎をみて、でもどこかで楽しんでくれているのだろうと思うことにしていた。
だが今年は異常だった。ハサミで切られた花は切り刻まれてそのまま捨ててある。どうしてこんな、とその情景の異様さに驚いた。きっと根元から切ったとき人通りがあってあわてて捨てたのだろう。わざと、と考えると気味悪いし、気分も悪い。少し分けてください、と言われたら気持ち良く差し上げるのに。
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