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出張修理でわかること-2

札幌、茨城でのケース

電圧不足はエレメントに負担をかけ、エレメントの寿命を短くします。
例えば195Vしか電圧がない場合(電力会社の許容電圧降下の範囲内ですが)
窯は十分な温度を確保できずにエラーメッセージを表示することがあります。
エレメントに対しては確実に消耗を早めます。電源で200Vあっても、
電圧はあくまで窯が焼成をスタートし、さらにリレーがONになった時点で
測る必要が有ります。

これは実際に現場に行って調査し、電力会社のデータを取り寄せて
始めてわかることなので、机上の理論だけでは個々の窯の状態を把握する
ことは難しいのです。ヒュ−ス・テンの技術が札幌、茨城に出張調査した際、
他のすべての数字が基準をクリアーしているのにエラー表示が出て、
温度が順調に上がらないケースがありました。

そこで電力会社の協力で電圧を記録する機器を設置してもらい
データを集積しました。データを分析した結果、電圧が極端に降下する
時間があることがわかりました。電力会社にとっては許容範囲であっても、
窯にとっては大きな障害になるのです。

その為茨城のケースでは電力会社が工房のすぐ脇に電柱をたて、
電線をのばす工事をする対策をとってくれました。また札幌では電圧降下の
起る時間帯をさけて焼成をするようにしました。

エクセルキルンのコントローラは7.5分ごとに窯内の温度をフィードバックし、
6.6℃/時以下の昇温率が連続22.5分感知されるとエラー表示を出して
焼成を中断します。

設定よりも昇温が高すぎる場合にもエラー表示を出しますので安全装置が
何重にも働いて事故を防ぐ優秀なコントローラなのです。電圧が不足すると
焼成時間が長引き、そのためエレメントの消耗が早まる、という悪循環に
陥りますので、焼成には電圧の確保が重要な要素となります。

電圧降下はエレメントの劣化によっても起こります。焼成に時間がかかる
ようになり、そのうちエラー表示が出るようになります。ただ、エレメントが
劣化しても低温焼成には問題ありませんので素焼きを沢山して貯めておき、
エレメントを交換してから本焼き焼成をすれば良いのです。

たまに工事用資料に指定したケーブルより細いものを使用しているケースを
見かけますが、それも電圧降下の原因になります。電気工事店にはどうぞ
指定の太さのケーブルを使うようにとご確認ください。

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