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京都への出張

京都の研究所から、前任者がエクセルキルンのコントロールボックスを
はずしたままにして辞めてしまった。とにかく動くようにしてほしい
という依頼が入った。

そこにはカーキルンをはじめとしてヒューステンから4台の窯を納品している。
修理依頼のエクセルキルンはコントロールボックス内部の点検、
オーバーホール、必要な部品を交換して本体に接続して作業終了。
他の窯は問題なく使用しているとのことだったが、せっかくなので
他の窯もチェックする。

ところがこれで思わぬことが発覚した。電気工事店が作業しているはず
なので全く問題はないと思われたがケーブルを途中でつなぎ足しているので
念のため絶縁テープを開いて接続を確認。線をそれぞれ電源にたどって
いくと何かおかしい。まさかと思って再度確認するが、単相の窯から
でているアース線が電源の一つに接続されているのだ。

技術の加藤さんは、
「窯のボディーをさわってビリビリときませんでしたか?」と
担当の方に聞く。
「さあ」
との返事だがアメリカの窯はボディーにアースを落としている。
「これでよく感電しなかったなあ」と加藤さんはびっくりしている。

電気の技術者にとっては考えられないほど危険な状態だ。
厚手の軍手をはめて作業していたためか、窯詰めなどの作業中にボディーに触れる
ことがなかったためか、もちろん単に運が良かったと言えるだろう。

たまたま大事に至らなかったのが幸運だったが、
他の窯は問題なく便利に使っている、という言葉にもかかわらず
「一応念のために確認だけしよう」
と考えて本当に良かった。
思いもよらない使用状況に遭遇して、念には念を入れ、と気をひきしめた
ことだった。

Comments

Mikapotter said…
初めまして。初めてブログを読ませていただきました。早乙女と申します。
初めてで差し出がましいのですが、窯のことでとても困っておりまして、誰にそうだんしていいのか分からない状態です。伺ってもいいでしょうか?
新居にスカットキルンを買っていれようかと思っていたら、分電盤までアースが来ていず洗濯機のアースを使わなければならない状態です。細いアースで5400Wの電流が耐えられるでしょうか?不躾ですみませんが、とてもお詳しそうなので質問してしまいました。よろしかったらお時間あるときに教えていただけると助かります。
すみません、よろしくお願い致します。

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