暮れも押し迫ったある日、 「ヒュース・テンのホームページに、どんな窯でも直せると出ていますが日本の窯でも 大丈夫ですか?」 と電話がかかった。 「見せていただいた上で必要な部品が手に入れば修理できます」 と答えると、 「もう車に積んであるので持って行きたい」 とのこと。 やってきたのは「窯わん」という窯で、作っていた会社がもう製造を止めてしまったので困っている、ということだった。 技術がお預かりしてその日のうちに点検。 リレーに行くケーブルの接続に問題がありそれが原因で弛みが生じていたことがわかる。部品の交換の必要も無く直すことができた。ただ、ねじをひとつ間違えると窯を支えている両側の壁から、窯本体がドスンと下に落ちかねない構造とわかって驚いた。 2、3日して引き取りにやってこられた窯のオーナーの方とお話をすると、実にユニークな陶芸教室を計画されている。興味をそそられて、 この欄で紹介させていただきたいと思った。 「ヒュース・テンのブログで紹介させていただいて良いでしょうか」 と伺うと 「いいですよ、僕も ブログ でもうヒュース・テンに窯を持って来た事を書いてあります」 とおっしゃる。 最初、窯を車に乗せて出張陶芸教室を計画しておられるとのことだったので、窯を移動させるのは窯にとって望ましくないと心配していたが、今は焼成はご自宅でと考えておられるという。 けれどそのアイディアといい、問い合わせの電話があってすぐに窯もやって来たこと、「陶芸屋台」構想(!)、複数の拠点、陶芸にかける情熱、どれをとっても熱い気持ちが伝わってきます。しかもそれをがむしゃらでなく、涼しい顔をして、楽しみながら進めておられる!! ホームページを拝見すると、伺ったお話よりさらにいろんな情報がつまっていた。お父様は実はうちの昔からのお客様である陶芸家だった! 都内23区は2輪で出張教室。しかも、近接する都道府県への出張費は10キロあたり100円とある。これでは交通費も出ないではないか!フットワーク軽くどこへでも「自由に!身近に!手軽に!」陶芸を楽しんでもらう為に、という意気に感激。ヒュース・テンでも多いに応援させていただこうと思う。 お友達同士やイベントなどで陶芸を楽しみたい方、お教室も何カ所か準備されておられるのでお近くの教室...
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