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陶芸家 加藤委氏

          加藤委氏
          ろくろについて技術的なおしゃべりを
          施釉を待つ作品

          工房の外から


しばらく前のことになるが、ヒュース・テン作品展にお借りした作品を
お返しするために岐阜の陶芸家加藤委氏の工房へ伺った。

山裾の少し開けた高台に加藤氏のご自宅があった。母屋の広い縁側には
ビニールに包まれた粘土の固まりや展覧会からもどったらしい木箱や段ボール
が積まれ、お借りした青磁の「馬」もそこに無造作に置かれた。
本当は抱きかかえるように大事に大事に運んできたのだけれど。

そのままおいとましようとしたら「あれ、もう帰っちゃうの?」とおっしゃって
工房を見せていただくことに。HPで紹介させていただきたいと申し上げて
写真を撮らせていただいた。焼成前の磁器がならんだたなや本のならんだ
いかにも居心地の良さそうな空間だ。

陶芸家加藤氏と、ヒュース・テン技術の加藤とろくろの話になる。
アメリカのろくろをぜひ使ってみたい、
東京に行ったらヒュース・テンに立ち寄りたいとおっしゃる。アメリカの
ろくろは荒削りだがそのパワーに魅せられた根強いファンが沢山いる。

低速で止まらないような、特色のあるろくろを探している人にとっては非常に
魅力があるのだ。日本とは設計の考え方がまるっきり違うのでおもしろい。
アメリカのろくろ(特にCI) は仕上げもラフだ。

パワーが目的なら他の細かいことには神経を使わない。はっきりした
コンセプトを持ち、それを最優先にする。時になでるような行き届いた製品に
慣れている日本人にとっては、天板の裏に強化プラスチックのバリが
出たままになっていて驚くこともある。

けれどそういった荒っぽさに慣れてしまうと、そのパワーや使いやすさ
ペダルの持つ蹴ろくろの余韻など、それはそれは魅力にあふれている。
ろくろを裏返して時にバリを見つけたり、コントロールボックスが
堅くてはめにくかったりしてもかえって一層の愛着を感じてしまう
(私の個人的な意見です)。

でもお行儀良くて質も良くそこそこ力もあるろくろを探すならシンポの
新しい3本足タイプもお勧めだ。大物向きではないが価格の面からも
買いやすいし。

などとろくろのおしゃべりをして帰りました。加藤氏は近々他の
場所にもっと広い工房を確保して引っ越しをされる、とのお話でしたが
この工房からあの特色ある緊張感あふれる作品が生みだされたのですね、と
興味深く拝見したことです。

N記

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