ヒュース・テンの作品展と懇親会が近づいている。作品展には続々と申し込みが あり、少なかったらスタッフの作品も出そう、などと話していたがそんな スペースはなさそうだ。発表する機会を作ってくれてとてもうれしい、と 電話をいただく。 作品展はもとより、最終日(10月14日)の3時から予定している懇親会への 参加希望が文字通り全国から(北海道、九州は宮崎、熊本からも) 寄せられて関心の高さにうれしい悲鳴をあげている。懇親会に出席のために はるばるかけつけて下さるのだ。 準備万端整えなくては、と気持ちを引き締めている。 東京陶芸展の主催スタッフの方も手伝ってくださるとのこと。全国規模の 作品展を行っているプロの方の支援は心強い。 さてその懇親会だが、これにはいきさつがある。以前も書いたが、10年以上前、 関西にスカット窯を扱っていた陶材人という会社があった。日本で最初に アメリカの窯を幅広く紹介したイギリス人、ホランドさんの会社だ。 「商売どう?」と毎日のように電話をかけてくるホランドさんは、自身も 陶芸家でろくろの腕も商才も如才なさも一流の、魅力あふれる人だった。 ところがある時スカット窯に問題が多発した。たぶんコントローラの型式が 変わったことによる不具合だったのだと思う。どんな機械でも型式を新しく すると一時的に不具合が生じたりするからだ。 アメリカのスカット社から調査にもやってきたが原因究明にはいたらなかった。 同じコントローラを使っているヒュース・テンのエクセルキルンも富士吉田に 納めた一台に不具合があった。(もちろん、今はスカット窯もエクセルキルンも 全く問題はありません。安心してお使いいただけます) そんな時ホランドさんはアメリカ側と問題がこじれたために自分で窯を設計して 売り出そうとした。そしてそれは残念なことに大失敗に終わった。レンガなどの 品質がひどく劣ったのだ。 そんなわけで陶材人という会社はなくなったが、ホランドさんはすばらしい ものを残した。ホランドさんは自分の窯を買ったお客さんの作品展を開催して、 ユーザーどうしの横のつながりをつくるきっかけを作ったのだ。 それまで陶芸は専門家による選ばれた人たちの会しかなかった。いわば、 楽しんで陶芸をするひとたちの集まりを初めてホラン...