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ステファニー・クウェイルの個展

作品はもちろんだが床の、磨かれたマーブル色は大きな魅力だ





ギャラリー38ステファニー・クウェイル展が開かれている(6月15日まで)。まず度肝を抜かれるのは、入り口を入ったところに展示された3点の熊の作品グリーンウェア(生の作品)だ。赤土で、未焼成、ほとんど天井にまで届く(おそらく2.5メートル以上)、立ち上がった熊の作品。作家が来日して現場で作り上げたというものだ。

これほどの高さの重力に耐えるには一体どういう粘土を使ったのだろう、しかも未焼成で、と観察した。もちろん骨組みは構築されていてその上に粘土を重ねていったものであろう。良く見ると粘土の切れたところにナイロンファイバーが見える。

大物作りに欠かせないナイロンファイバーを海外の作家はよく使う。それを利用して乾燥時のヒビを入り難くし、また強度を高め、重量を減じたものだろう。ただ、混ぜ込む作業はどんなにか大変なことだったろうと思う。

奥には焼成された、カラスや熊の作品が展示されている。ステファニー・ククェイルは2017年の21 21デザインサイト(ミドタウン)で開催された「野生展」に出展されたゴリラと豚の作品で注目を浴びた。この作家の作る動物たちの荒々しい毛並みと粘土の扱いは作家の生まれ育ったイギリスのマン島の自然に大きく関わっているように見える。

2121デザインサイトHPより

展覧会とは関係ないのだが、このギャラリーの床は一見に値する。樹脂を塗り込めて磨いたものだろうか。この床材は上に展覧する作品を選ぶと思われるが、この床自体の魅力にとりつかれる。白い壁とこのマーブル色の床だけを素材とする空間を展観する機会があったら面白いと思う。with 花一輪。

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