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嬉野の風ン谷淳窯 

嬉野の、風の流れる山あいに、野村淳二氏の風ン谷淳窯がある。

工房入り口には花生けが下げられ実際に野の花が飾られている。

ギャラリーに並んだ暖かい表情のうつわたち。窓の向こうに登り窯が見える。

作業場にはいろんな機械類、窯、制作途中の作品が並ぶ。工房は別棟。

登り窯は6月と12月に火を入れる。窯開きには遠方からも買い出しの車が並ぶ。


嬉野の緑の茶畑の中に陶芸家野村淳二氏の工房がある。
以前、東京青山にあるギャラリー酉福(ゆうふく)で野村氏の
個展を開催されたとき、店主の青山さんが

「いいんですよねえ、音楽が流れているんです、工房に。
話を伺っていると時が経つのを忘れます」

とおっしゃっていたのを思い出す。

5月の連休、ヒュース・テンの仲間は野村先生の、窯の具合が
どうも良くない、という一言で嬉野を目指す。窯の具合を
見るのはもちろんだが、お会いしていろいろおしゃべりさせて
いただくのが何より楽しみだ。

ヒュース・テンはお金がないのでそれぞれ自費で行きは
新幹線で福岡、電車とバスを乗り継ぎ、帰りは長崎からの
航空券を買う。

行楽の人にまじって、仕事にかこつけた私たちもはるばる九州に。
あの緑に囲まれた風のそよぐ工房とご自宅を訪れて
泊めていただく、と思うと心が弾む。

連休で思い立ってすぐの旅なので福岡まではかろうじて
早朝の新幹線がとれたが、福岡からは列車はどれもいっぱい。
しかも車を借りようにもレンタカーは空きがない。
ようやくの思いでバスを乗り継ぎ、
嬉野のバス停までは奥様が迎えに来てくださる。


窯自体はよくあることだが、不具合の症状を確認できない。
それで原因となりそうな部分の見当をつけて修理。すぐに
空だきをして温度の上がりを確認する。

早めに切り上げてあとは先生に菊練りを実地に教えていただく。
たった一時間やそこらで教えて欲しいなどという無謀な要求を
快く受けて、お弟子さんに用意してもらった7、8キロの粘土で
一人ずつ手取り足取り教えていただく。

毎日30分でも練習して身体のリズムを覚えるとよいとアドバイス
いただく。夜は先生自ら用意してくださった、この季節限定という
ムツゴロウ魚料理と地酒で夜更けまで語り合う。

何故ここまで厚かましく出来るのか、と私も自問自答しながら、
それでも居心地の良い、話の楽しい、為になる、学ぶことの多い
こんな機会はとても逃すことができないのです、と言うしかない。

野村先生はヒュース・テンのごく初期の頃からのお客様だ。
わからないことはなんでも教えていただける。困ったことは
すぐに相談する。うれしいことがあると声を聞きたくなる。
苦しいときにも、先生ならどうされるだろう、と考える。



さて連休も終わり翌日は雨。まる二日間、仕事のじゃまをした
うえに食べて飲んで空港まで送っていただき
すっかり親戚気分で帰路につきました。

風ン谷淳窯の登り窯、作業場、使い安い器たちの並んだギャラリー、
クラシック音楽の流れる暖かい仕事場の雰囲気をお届けします。
そして最後にもちろん少し照れた表情の野村先生を。

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