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鈴木堅大郎さんのこと



4月初め、鈴木堅大郎 遺作展というお知らせをいただいた。

「陶工房 りんごの木」を主宰されていた鈴木さんは
ヒューステンの古くからのお客様だ。
一年前に亡くなって遺作展が開かれるという。

奥様からのハガキには、
 「いろいろお世話になりました。陶芸で十分楽しませて
 いただいたと思っております」
と記されていた。

1997年からのやりとりが残っているから実際には15,6年も前から
おつきあいさせていただいていたと思う。商品についてご質問
いただいたり、使っての感想をいただいたりした。

お会いしたことはなかったが、何年か前のお便りに
 「次々と病気を背負い込み、
 ついには胃がんで胃の三分の二を切除して」
とあり気になっていた。

それでも
 「病床で新しい作品の構想を練り、気分のいい日には制作し、、」
とあり、またあるときは
 「ここ2、3年、死んでも生きても天に任せるしかないと、
 妙に開き直った気分でまたまた作品を作り続けています」
とも書かれ、いつも作ることを楽しんでおられた。

また写真にある織部のお皿をいただいたこともある。電話で
お礼を申し上げたら、
「どうやって模様を作ったか不思議でしょう。他の人は
思いつかないような発想なんですよ」と自慢していらした。

こちらからのご挨拶に対して
 「、、、心ににしみてありがたく感じました。心身が弱って
 いますと生きている実感が強く、森羅万象に感じることが
 多くなりがちです。自ら心を励ましから元気を出して、
 体調のよい日は制作で遊んでいます」
とお便りをいただいた。

何年か前のお便りにはガンで5回の手術をうけられたこと、
 「Amacoの絵の具を楽しく使っています。生きてるって
 いいですね。、、、」とあった。

いつもおりおりのお便りにはこちらが励まされ、考えさせられ
どうぞお元気で制作を続けられますように、と思わず祈る
気持ちにさせられた。

「りんごの木」のレターヘッドには
たとえ明日、世界に破滅が訪れようと、今日、りんごの木を
植えよう」と本からの言葉が引用されている。その言葉通りに
生きられた。

船橋市主催の「親と子で縄文土器をつくる会」の講師をされた
時の写真がある。子供たちに囲まれ、お元気そうで生き生きと
楽しげに微笑んでいる「白い服のヒゲ男」が鈴木さんだ。

いつも前向きでひたすら陶芸を愛したすてきな方が一人
亡くなった。天国で織部のお皿を作っておられるだろうか。

「生きてるっていいですね」という言葉をかみしめている。

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